Fender Japan ST57-55 / オーバーホール
仙台市のギター修理工房【FOOLS GOLD】です。
今回はフェンダージャパンのストラトキャスターをオーバーホール!!
ブラックボディとメイプル指板の組み合わせ。
ECさんのブラッキーしか浮かんできません笑
こちらの個体は1989年製。
製造から既に・・
30年!!
楽器として熟成し、貫禄すらあります。
もはやビンテージと言っても過言では無い領域に突入していますね。
フジゲンが製造を担っいた時代です。
このEシリアルは、1番人気のJVシリアルに次ぐ評価を得ています。
指板面をマスキングしてフレット擦り合わせを施します。
30年も経てば、フレットの高さが不均一だったり、部分的に凹みが出ています。
そのままでも演奏は可能ですが、楽器のパフォーマンスを引き出すため、フレット擦り合わせ含め各部の調整をおこないました。
全体を満遍なく擦り合わせていきます。
凹んだ箇所だけを重点的におこなってしまうと、後々、ネックが動いた時に音づまりを発生させる原因になるためです。
凹みをどれだけ消せるかは全体の状態とフレット残量次第で変わってきます。
フレットサイドの処理も同時におこないました。
角を取ることで演奏時のストレス軽減が期待できます。
続いて、パーツをバラして洗浄です。
ストラトは部品の数が多い・・・特にネジ・・
外すときはまあまあ面倒で。
組み上げはドンドンと形になっていく感覚が楽しい(笑
製造されて30年。
埃なども溜まっていたので、生まれて初めての大掛かりなクリーニングだったのかも。
配線溝。
細かなところの再現はさすがですね!
ブリッジを取り付けていきます。
ここでの取付方がチューニングの安定度に影響してきます。
(特にアームを使った時)
6本のネジの締め込み具合がとても重要なポイントです!!
バネが3本しかないのでフローティングした状態でセッティング。
フェンダーの標準的なフローティング量にしています。
バネから来る響きがストラトの要でしょう。
アーム使わなくてもバネは必要。
擦り合わせたフレットの高さに合わせ、ナット溝もしっかり調整!!
日本製とはいえども、ナット溝のバランスが悪いものは普通にあります。
溝が高過ぎれば、当たり前ですが弦が押さえづらくり、押弦時のピッチのズレも大きくなります。
今回は特別に配線も修正します。
配線材から変えていきます。
ちなみに、すでにスイッチがCRLに変更されていました。
USAクロスワイヤーを用いてビンテージストラトに倣い配線しました。
元のビニール皮膜線に比べて、音の解像度が違ってきます。
トラディショナルなサウンドを求めるなら、是非試して頂きたい。
美しく、且、サウンド面・弾き心地の面でも改善されました。
30年の月日を経たストラトキャスターを楽しんでいただきたいです!!
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