S様 Mosrite フレット交換
宮城県仙台市のギター・ベースリペア(修理)&中古楽器買取・販売【FOOLS GOLD フールズゴールド】です。
ついにここ仙台でも桜が咲き始めました!
長〜い冬を越え、やっと春が訪れた感じです。
暖かくなってくると、音楽フェスなどの野外イベントも増えてくるのでワクワクしますね〜。
イベント前の楽器調整。いつでもお待ちしております!!
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今回は、国産モズライトのリフレットでした。
60年代の日本でベンチャーズ人気が爆発して以降、ベンチャーズと同様にモズライトの製品も日本で特異な存在になったと思います。
ストラトやジャズマスターを反転させたようなデザインですが、デチャッタブルネックの内部構造など大きく異なります。
レモンオイルで指板を保湿後、半田ごてでフレットを温めながら抜いていきます。
指板の割れはほぼありませんでしたが、ロッドに緩める方向への余裕がほぼなく、その上ネック全体が逆反り方向へのクセが強く、また指板Rが全体的に崩れていたので多めに指板修正を行います。
特に、新しくフレットを打つとより逆反りに動く可能性があるので、それを見越した上でロッドを締めネックのストレートを出すように修正していきます。
修正が終わりました。
新しい面が出たことで新品のような雰囲気ですね。
多めに修正と書きましたが、ローフレット側とハイフレット側で指板Rがかなり違っていたので、それぞれのRに合わせバランスを細かく見ながら削りました。
さながらコンパウンドラディアスですね。
指板脇にバインディングが付いていますので、フレットタングの処理が必要です。
処理後、フレットを打ち込みます。
余分にはみ出ている部分はカットし、断面を鉄鋼ヤスリで削り整えます。
擦り合わせを行います。
ここでも逆反り対策を講じながら作業を進めます。
要は、弦を張っていない状態で出来るだけストレートにすることです。
擦り合わせで角張ったフレットを専用工具を使って角を取っていきます。
この時、一緒にフレットサイドの最終整形もおこないます。
紙やすりで傷を取りながら磨き、コンパウンドで磨きあげたら完成です。
今回、ちょうど良いサイズでステンレスフレットの在庫があったので、”ゼロフレット”にはそれを採用しました。
ゼロフレットには想像以上に高い圧がかかっています。
そのため摩耗も早いです。
その対策としてステンレスフレットを使うことで耐久性を上げました。
ゼロフレットには開放弦と押さえた弦との音に差がなくなるメリットがある一方、牛骨ナットのようなシビアな高さ調整が難しくなるのですが、この点は今回うまくいったと思います。(低すぎるとビビリの原因に、高すぎると押し弦でピッチの狂いの原因になる)
ナットは接着面の古い接着剤を除去し、荒れている箇所を均すことで密着度を高めました。
ネックが新品のような状態に蘇ったので、これからまた末長く活躍していただけると思います。
以上、フレット交換でした。
今回の作業のように、それぞれの楽器に合わせ、何がベストなのかを探しながら作業を進めております。
直るかどうか分からないなど、疑問に思ったことがあればお気軽にご相談ください!
相談・お見積もりは無料です。
お問い合わせは foolsgold_gt@yahoo.co.jp まで!!!
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