H様 MUSICMAN Stingray フレット&ナット交換
仙台のギター修理工房【FOOLS GOLD フールズゴールド】です。
ーーーーーーーーーーーーー
今回は [MUSICMAN Stingray] のフレット&ナット交換です。
当店で以前、施工させていただいた同Stingrayのフレット交換の作業ブログをご覧になり依頼をいただきました。
遠方からの依頼ということも重なり嬉しい限りです。
90年代製のStingray!!
ボディ、見事に焼けて、貫禄抜群です。
ネックも同様の焼け具合。
今回、この雰囲気を残したいということで、指板塗装を剥がさないフレット交換をご依頼いただきました。
まずはフレット脇の塗膜を切るように、目立てヤスリで削っていきます。
フレットを抜いた際に、指板塗膜が一緒に剥がれないようにするための作業です。
フレットを抜いていきます。
半田ごてで温めながら抜くことで、フレットと指板の密着を緩め、指板が割れる事を防ぎます。
丁寧に1本1本作業する事で、大きな欠けもなく綺麗に抜けました。
元のフレットです。
緑青などの汚れが目立ちますが、ハードに弾き込んで来た印象もあります。
フレット溝を掃除していきます。
木屑などが残っていると、新しいフレットがしっかり入らない原因になります。
1本1本丁寧に、フレット交換は根気のいる作業です。
フレットを指板アールよりちょっとキツ目に曲げます。
今回使用したのはステンレスフレット。
ニッケルシルバー素材より断然硬いので一苦労です。
季節の変化による環境の変化を考慮し、フレットタングをカットしています。
木材である指板と金属のフレットでは収縮率が異なります。
冬場などの乾燥した時期には指板が縮みフレットがはみ出すことがありますが、タングをカットしておくことで修正が比較的容易になります。
ちょっとした心配り、優しさです(笑)
全てのフレットが綺麗に収まりました。
この後、はみ出ている部分をカットしていきます。
ステンレスですから、勿論カットも一苦労です(笑)
カットした状態では尖ったままなので、鉄鋼ヤスリで断面を整えます。
こんな感じです。
綺麗に平らにはなっていますが、エッジが立ったままです。
後ほど整形していきます。
擦り合わせをしていきます。
フレット上面にマーキングすることで擦り合わせの具合を確認できます。
擦り合わせが終わったフレットは台形状になっています。
このままではまともな音はでませんので、専用工具で角を取り丸めていきます。
この時、フレットトップだけは削らないように注意します。
角を取り終わったら、フレットサイドの最終整形を行います。
フレットサイドが立っているものも多いですが、演奏時のスムーズさやストレスといった部分に影響します。
丁寧に角を丸めておくことで演奏性は大きく異なります。
次に紙やすりとコンパウンドを使って最終的な整形と傷を取り完成です。
ナット交換。
フレット交換をした際は基本的にナットの交換も必要になってきます。
今回のナットは、2弦溝にヒビが入っていましたのでちょうど良いタイミングでした。
依頼主様からの指定で黒のタスクナットを使います。
タスクナット自体の加工は比較的楽ですが、削った時の粉が異常なほどに肌にくっつくのが辛いです(笑)
溝切り含め加工が終わりました。
黒になることで印象がだいぶ違いますね!!
フレットサイド含めビシッと仕上がりました!
貫禄あるこのベースが、フレット・ナットが生まれ変わることで、今後も末長く活躍してくれることを願います。
Guitar Shop FOOLS GOLD
Mail : foolsgold_gt@yaho.co.jp
0コメント