G様 70's Fender Precision Bass メンテナンス
宮城県仙台市のギターリペア・メンテナンス&中古楽器買取販売【FOOLS GOLD フールズゴールド】です。
6月に入ってから暑い日が増えましたね〜
暑いってだけで若干疲れが増す気がします・・
そしてサッカーワールドカップが近づいてきました!!
幼き頃から大好物のサッカー!
寝不足な日々が続きそうです(笑)
何だかんだ言われていますが、私は日本代表を心の底から応援しています!!
☆☆☆☆
さて、今回の内容はベースの総点検といった内容です。
【1970年代のフェンダー・プレシジョンベース】
まずはナットから。
弦に対して溝が広がりすぎてしまっており、交換が必要です。
ナット自体はオリジナルのままのようです。
弦振動を受けて広がってしまったのでしょう。
ナット周囲の塗膜に切れ込みを入れて引き抜きます。
すると、ポロっと割れて抜けました。
1枚目の画像をよく見ると、すでにヒビが入っているのが分かります。
こういったことはベースだけでなく、ギターでも稀にあります。
適当なものでヒビを埋めて接着しているものもたまにありますが、こうなった場合は潔く交換するべきでしょう。
今回はオイルドボーンナットで新しく作りました。
特殊配合のオイルにより、漂白ナットよりも滑りが良くなるため、チューニングの安定が見込めます。
大まかに形を作ったナットをナット溝に接着し、必要な高さまで削っていきます。
指板幅に合わせて1・4弦の位置を出し、残りの弦位置も細かく微調整しながら出します。
溝の間隔・溝の高さなどを的確に求めることで、音だけでなく見た目にも大きく関わります。
音と見た目は表裏一体なところが多々ある。
それが楽器というものです。
続いてはピックアップスポンジの交換です。
手前がオリジナルで、奥が今回使った新品のものです。
長年同じ高さのままにしておくとスポンジ自体が固着し、調整が全く効かなくなることがあります。(これは良くある事例です)
特に今回は3・2弦に対するピックアップの高さが足りず、音に満足がいかないところがあったようです。
新しく使った“MONTREUX”のスポンジは中にバネが内蔵されているため、細かな調整がしやすく、経年による固着も防ぎやすくなっています。
ピックアップスポンジのアース戦はボリュームポットに繋ぎます。
70年代のフェンダー製品によくある問題点の一つが、ネックポケットの加工精度の問題です。
上2枚の画像は、弦を張った状態でどれだけネックが動くかを表したものです。
最初の画像では意識的に適正なストレートが出るように組んでいます。
しかし、ちょっとした力の入り方でネックが1弦側に寄ってしまうのが、2枚目の画像から分かると思います。
この個体の場合、通常使用で2枚目のような状態になってしまい、そうなると弦落ちやピッチの狂い・弦振動のロスなどに繋がってしまいます。
このような事例の解決方法として、ネックポケット側面に必要な厚さに削り出した木片を貼る方法があります。
今回の場合は4弦側の手前と1弦側の全体に貼ることで適正な位置になるよう矯正しました。
矯正したのち、弦を張った状態です。
1・4弦位置のバランスが良く、適正なストレートが出ていることが画像から分かります。
ネック反りの調整や弦高などの全体調整を施し作業終了です。
明らかに生まれ変わったと感じさせてくれるレベルになったと思います。
70年代のフェンダーは加工精度などの問題からあまり人気がありませんでしたが、近年その価値が改められてきており、徐々に価格高騰してきています。
実際、しっかりとした調整を施せば、現行の楽器にはない深みのあるサウンドが楽しめることでしょう。
以上、【1970's Fender Precision Bass】各種メンテナンスでした!!
今回の作業内容のように、様々なリペア・メンテナンスを行っております。
ご相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください〜
お問い合わせはこちら➡︎ foolsgold_gt@yahoo.co.jp
0コメント